レベル(アメリカ)1/32 カーチスP-40E“フライングタイガー” (1967年初版) [航空機モデル]
Revell1/32 Curtiss P-40E FLYING TIGER
レベルサンニーのカーチスP-40!!
この名前を聞くだけで、僕は今でもドキドキしてしまいます。
小学生の頃……それまでも飛行機のプラモデルは大小とりまぜていくつも作っていて、大好きなカーチスウォーホークはオータキ1/48などを作っていましたが、この風格ある大きな箱の1/32キットを手にしたときの喜びは、今も忘れられません。
恐る恐ると開けた箱の中には、映画などで見たままの、僕の知っているウォーホークそのものが入っていました。
付属の美しいカラーイラストや橋本喜久男氏による改造アイデア記事なども貪るように読みました。
アリソンエンジンも当時としては立体的なモールドで再現されており、機体の可動部の多さに目を見張りました。
組み立て説明図からの抜粋。
この可動部分の豊富さはどうでしょう!
各動翼可動。
主脚は90度ひねって収納。もちろん各カバーも開閉。
キャノピーも開きます。
単なる置物ではなく「生きている飛行機」を作れる実感がありました。
そして極めつけは、その繊細かつ大胆な表面モールド!
「本物の飛行機は、こんなふうになっているんだよ」とモールド自体が語りかけてくるかのような説得力。
外板の継ぎ目は「厚さ」を変えて表現され、リベットは単なるボツボツではなく、半分機体に埋め込まれたような円形。
凸モールドとスジボリの的確な使い分けによる、得も言われぬ立体感。
薄い金属板が骨組みの上に被せられ、しっかりと建て付けられて頑丈に仕上がっている……そんなことを実感させてくれました。
これしかない!本物の飛行機プラモって、これしかない!……小学生の僕は、本気でそう思いました。
時代を超えて、世界でいちばんシャークマウスの似合う飛行機……それがP-40。
このキットにも美しいデカールが入っていました。
これ以降、現在に至るまでレベルのフライングタイガーを超える説得力、重量感、そして模型としての楽しさを持った航空機プラモデルになかなか出会えませんでした。
今でさえ、買えるものなら10個でも100個でも欲しいと僕に思わせる航空機プラモデル、それはレベル1/32のP-40です。
……でも、これは逆に寂しいことでもあります。
21世紀に入って、各社が新世代型ともいえる1/32航空機キットを出し始めました。
ですからまたいつか、このP40のようなインパクトを持ったキットが、最新の技術を駆使した素晴らしい内容で発売されてほしいと思っています。
現在の技術ならば、実機の質感を思わせる立体的表現のなされた機体に、生きている機械であることを実感させてくれる信頼性の高い可動機構を盛り込んだ航空機キットが開発できるはず。
タミヤの新しい1/32零戦やスピットファイアのように、すでに一部ではそのような製品が出回り始めたようです。
これからの展開に大いに期待したいと思います。
リンドバーグ(アメリカ)1/32 1940年型フォード・コンバーチブル [自動車モデル]
※初版は1965年前後のパイロ製(米)。リンドバーグ版は1979年に発売.
LINDBERG(Pyro)1/32 FORD CONVERTIBLE 1940
なかなかオシャレな箱絵が魅力のリンドバーグ版。
1/32というスケール、そして1940年型という時代背景から、昔はミリタリーディオラマの小道具としても
使われることが多かったキットですが、実は初版はパイロ社の品。
同社の消滅後に金型の一部がリンドに移り、こうして復活したもののようです。
1970年代前半の模型誌に掲載されていた第二次大戦中のディオラマに、ドイツ軍の乗用車として登場していたのを覚えています。
当時は「これは何のキットだろう?」と首を傾げたものです。
大量に生産されて世界中で使われたフォード車ですから、ドイツ軍の戦車と一緒にディオラマ上にレイアウトされていても、不思議と違和感はありませんでした。
旧パイロ・キットの特徴は、美しい部品成形と驚くほどシンプルな構成。
昔ながらの、ちょっと丈夫で分厚い箱を開けると、鮮やかな成形色の部品がパラッと入っています。
あまりの部品の少なさに、思わず指でつまんで「仮組み」したくなってしまいます。
しかし……おやおや、現在の自動車キットとは違い、複雑な三次曲面を持つボディは一体成形ではなく四分割。これは接着・成形が大変そうだなぁ……と思ってしまいますが、このあたりの部品のフィットは実に見事で、実際にはスムーズな工作で可愛らしいボディを手に入れることが出来ます。
これがまた、パイロの良いところです。
サテ、取りぃ出しましたるは往年のレベルの名作。
1/32カーチスP-40“フライングタイガー”。
これはまた不思議なツーショットですが、この2つのキットが揃ったならば……
こんな映画のワンシーンが再現できるのでした。
昔から、これがやりたかったのデス。
成形色までぴったんこ!
ディオラマにするもよし、模型特撮写真で遊ぶもよし……。
プラモデルって、本当にいろいろな楽しみ方ができますね!
LINDBERG(Pyro)1/32 FORD CONVERTIBLE 1940
なかなかオシャレな箱絵が魅力のリンドバーグ版。
1/32というスケール、そして1940年型という時代背景から、昔はミリタリーディオラマの小道具としても
使われることが多かったキットですが、実は初版はパイロ社の品。
同社の消滅後に金型の一部がリンドに移り、こうして復活したもののようです。
1970年代前半の模型誌に掲載されていた第二次大戦中のディオラマに、ドイツ軍の乗用車として登場していたのを覚えています。
当時は「これは何のキットだろう?」と首を傾げたものです。
大量に生産されて世界中で使われたフォード車ですから、ドイツ軍の戦車と一緒にディオラマ上にレイアウトされていても、不思議と違和感はありませんでした。
旧パイロ・キットの特徴は、美しい部品成形と驚くほどシンプルな構成。
昔ながらの、ちょっと丈夫で分厚い箱を開けると、鮮やかな成形色の部品がパラッと入っています。
あまりの部品の少なさに、思わず指でつまんで「仮組み」したくなってしまいます。
しかし……おやおや、現在の自動車キットとは違い、複雑な三次曲面を持つボディは一体成形ではなく四分割。これは接着・成形が大変そうだなぁ……と思ってしまいますが、このあたりの部品のフィットは実に見事で、実際にはスムーズな工作で可愛らしいボディを手に入れることが出来ます。
これがまた、パイロの良いところです。
サテ、取りぃ出しましたるは往年のレベルの名作。
1/32カーチスP-40“フライングタイガー”。
これはまた不思議なツーショットですが、この2つのキットが揃ったならば……
こんな映画のワンシーンが再現できるのでした。
昔から、これがやりたかったのデス。
成形色までぴったんこ!
ディオラマにするもよし、模型特撮写真で遊ぶもよし……。
プラモデルって、本当にいろいろな楽しみ方ができますね!
セントラル模型(日本)1/32 日産サニーエクセレント1400 (1972年初版) [自動車モデル]
CENTRAL1/32 NISSAN SUNNY EXCELLENT 1400
1960年代後半から70年代前半にかけて少年時代を送った人々で、セントラル模型の名前を知らない方は少ないのではないでしょうか。
積極的にゼンマイカーのプラモデルを作っていなかった方でも、模型屋の棚の隅っこや、雑貨屋、文房具屋の模型売り場に、必ず可愛らしい小さい箱のスポーツカーが置かれていたのを見たことがあるはずです。
初期の頃には日本グランプリなどで活躍したニッサンR381やマクラーレンなどのレースカーが数多く、そして息も長く発売されていましたが、後には町中でもよく目にするファミリーティーカーやGTカーがいっぱい発売されました。
国産車ではスカイラインハードトップ2000GT、コロナマークII2000GSS、スプリンター1400SRなど。
そして外車ではムスタングマッハI、ポンティアックフアイアバードトランザム、ダッジチャレンジャーラリー、マーキュリークーガーなどなど……他のスケールでもあまり見かけないアイテムが、それこそシリーズの全貌が掴み切れぬくらいいっぱい発売されて子供達を喜ばせていました。
家になんて持ち帰らず、雑貨屋の前の道ばたに部品を広げて製作開始!
完成したら友達の家や学校の廊下でレース開催!
今回はそんな中から、手元に大切に保管してあるサニーエクセレント1400をご紹介します。
「あっこのクルマ、近所のおじさんが乗ってた!」
「うちの兄貴が初めて買ったクルマだ!」
……なぁんて方もいらっしゃるかと思います。懐かしいですね!
キット内容も、あぁ昔のプラモデルってこんなだったよねぇ……と、思わず微笑んでしまいそうな可愛らしさです。
こういうキット、また作りたいナァと思っていた1980年代中盤、今はなきエルエスが……恐らく、このセントラルのキットのような、懐かしいゼンマイカーキットへのオマージュだったのではないでしょうか、1/32で懐かしい国産車のプラモデルを発売してくれて、本当に嬉しかったものです。
エルエスのシリーズはその後アリイに受け継がれ、今でも気軽に買うことが出来ます。
これは大変に有り難いことですが……セントラルのキットは消滅したまま。寂しいなぁ……。
子供向けの低価格帯キットですから、内容的に贅沢は許されなかったのでしょうが、それでも少ない部品で一所懸命に実車の特徴を再現しようとしているのがわかります。
一体成形のフロントグリル。子供の頃はそのまま作ったけど、今だったらヘッドライトをくりぬいて透明レンズをはめ込んで、グリルも削り込んで、綺麗に塗装して……と、夢が広がります。
「ゼンマイで走るプラモデルはいっぱいあったが、セントラルのやつは優秀だった……」
そうおっしゃるオールドファンの方もいます。
手で巻くゼンマイというもの自体が今では珍しくなってしまいました。
セントラル1/32カーモデル共通のフォーマット。
エンジン再現とボンネット開閉。
ダッシュボードなど車内も再現。
前輪ステアリング可動。
なんだか、プラモデルの「基本」という気がします。
箱や部品を見ているだけで、タイムスリップしそうな楽しさがありますネ!
エーダイ(日本・永大)1/76 V-2号ロケットセット (1973年初版) [航空機モデル]
EIDAI 1/76 GERMAN V2 ROCKET SYSTEM
昭和40年生まれの僕らが少年時代からミリタリーのプラモデルといえば1/35、そして「ミニスケール」と呼ばれる小さくて可愛らしい1/72や1/76のキットが多くのファンに愛されていましたが、そんな中でも永大(エーダイ……と発音していました)のキットは部品が少なく、組み立てが簡単ながらも、ハセガワ1/72やフジミ1/76に比べて、どうも内容が簡単すぎるような気がして、あまり好きになれませんでした。
しかし、エーダイというメーカーに対するそんな先入観をフッ飛ばしてくれたのが、この「V-2号ロケットセット」でした。
1970年代当時の少年たちは、このキットの内容と組み立て説明書に詳述されている解説文によって、V-2号ロケットとはいかなるものかということを教えられたのではないでしょうか。
僕自身、相当なインパクトを感じました。
子供心にも、模型メーカーの意気込み、気迫が感じられるような思いでした。
当時600円だったとのことですが、記憶では2000円くらいして、なかなか買えないような感覚でした。
それだけ迫力あるキットだったのでしょう。
キットには、V-2号ロケット本体とそれを運ぶキャリア、ハノマグ社製の大型トラクタ、8トンハーフトラック改造の管制装置車、追尾レーダーがセットされています。
キットの中身だけで、ロンドン市民を恐怖に陥れたと言われる歴史的な存在、V-2号ロケットの移動発射基地を再現することが出来るのです。
ただ、人形が付いていないのがチョット寂しかったような記憶があります。
各部のモールドもたいしたもので、凸リベットやスジボリをうまく使い分けて、ノッペリしがちなミサイルの部品に精密感を与えています。
少年時代の僕はその説得力にすっかりヤラレてしまいました。
……このキットにビックラこいた小学生の僕は、いつものように接着剤ベタベタ、プラカラーぐちゃぐちゃで作る気持ちにならず、ソッと本棚にしまい込んで、何年間にも渡って、時々その箱を開けては部品をホ~ホ~と眺めて暮らしておりました。
しかし、そんな僕の「秘蔵のキット」にも、ついに晴れの舞台がやってまいりました。
それは高校に入学した後のことです。その年の文化祭では、クラスでひとつのテーマを決めて、クラス内でいくつかのグループに別れて研究成果を展示することとなりました。
さぁて、TAC君のいる1年7組のテーマは「宇宙」と決まりました。
僕らのグループでは何をするか……?
そうだ! イラストと模型を使って、宇宙開発の歴史を展示しよう!
そこで、その後の宇宙ロケットの基礎となったV-2号ロケットから、最新のスペースシャトル・オービターなどのプラモデルを作り、ディオラマ仕立てで飾り、足りない部分をイラストで補ったのでした。
……画像は、その当時のものです。
現像・焼き付けを不慣れな自分でやったもので失敗して悲惨な写真になっていますが、これは紛れもなくあの当時、宮崎県立延岡西高校1年7組の教室に展示されたエーダイグリップのV-2号ロケットセットです(笑)
―――― サテ皆さん、実は他にもV-2号ロケットのミニスケールキットがあったのをご存じでしょうか?
これはレベルが発売していたものです。
僕が持っているのは1982年頃にレベルが「ヒストリーメイカーズ」というシリーズ名で古いキットを再販したときのものですので、さほど珍しいものではないのですが、中身は恐らく1960年代に発売されたV-2号ロケットそのままのはずです。
中身はエーダイのものに負けず劣らず。
古いキットなのに精緻な部品がいっぱいセットされています。
スケールは1/54と書かれていますが、実際はもっと小さくて実寸は恐らく1/70前後ではないかと思います。
レベルのキットの特徴は、ロケット本体とキャリア(発射台)がセットされている他に、ロケットの内部構造が再現されていることです。
キット完成後もロケット本体の左右をパカッと開けて、中の様子を見ることが出来ます。
一種の「教材」としての役割も持てる、非常に優れたキットです。
キットには地上整備員らしいフィギュアが3体入っています。
そのうちの1人は、整った髪型でシャツにネクタイ姿、片手に重要書類らしきものを持った紳士。
これは、若き日のフォン・ブラウン博士をモデルにしているのでしょうか。
そう考えると実に楽しいキットです。