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タミヤ(日本)1/35 フランス陸軍32トン中戦車 A.M.X.30ナポレオン (1966年初版) [AFVモデル]

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TAMIYA1/35 French A.M.X.30 Napoleon


“ナポレオン”というのは“ロンメル”や“シャイアン”と同じくタミヤ独自の製品名で、実車に固有のコードネームはありません。
現在でこそ1/35戦車プラモといえば第二次大戦中のドイツ軍ものが大人気ですが、1960年代後半のプラモデル・シーンはまだまだそんな状況にはなく、面白いもの、カッコイイものなら何でもキット化してみよう!という気概があったようです。


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このA.M.X.30もけっこう人気のある戦車だったらしく、1/35スケールでは同じ頃に日模も「A.M.X.30フランス」という製品名で発売していますし、デッカイ金属製61式戦車(STA-4)などで有名だったアイハラも1/35でA.M.X.30を出していたようです。
画像は上がタミヤ、左がクラウンモデルの輸出版(米国A.H.M社扱い)右がニチモの「フランス」です。

ヨーロッパから遠く離れた日本のプラモデルメーカーで相次いで発売されたA.M.X.30ですが、フランス本国の老舗プラモデルメーカー、エレールから発売されたのが一番遅くてタミヤのキットとは10年以上の開きがあります。
でも、この“ナポレオン”が懐かしいというベテランさんも多いのではないでしょうか。



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僕の世代では、田舎に住んでいたこともあって中学生くらいまで田宮の古いキット……モーターライズのM8グレイハウンドやT-10スターリン戦車などの売れ残りを買うことが出来ましたが、ナポレオン戦車は模型屋さんのショーウィンドに飾ってある完成品を眺めたことがある程度でした。
当時まだまだ手に入った田宮の古いキットの組み立て説明書に掲載されているミニカタログには、時折このナポレオン戦車が掲載されていることもあり、いつかは自分で作ってみたいと思ったものです。



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なかなか豪華なパッケージです。
箱の折り込み部分にもカラフルな印刷で様々な解説、キットの仕様、カタログが載せられています。


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これが「クィック配線」仕様のシャシー。
製品の段階で電池ボックスの接点が組み立て済みでユーザーの負担を軽減しています。


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懐かしいゴムキャタピラと金属製ギヤボックス。
実際に組み立ててみると、作り手の微調整の仕方にもよるのでしょうが、ことのほか静かで心地よい走行音を発しながら滑るように走ります。


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昔のキットではお馴染み……赤外線サーチライトには半透明、赤いプラスチック板が部品としてセットされています。
赤外線となれば「とりあえず赤にしとこう」ということで、こういう部品を付けてしまうというのは、やはり「コタツ」が一般家庭どこにでもあるという風土を持つ日本ならではの発想、文化ではないでしょうか。
主砲防盾のダストカバーには、薄い布を実際に貼り付けて再現するように、寸法どおりに切り出した布の部品が付いてます。
今風に言えばマルチマテリアルキットといったところでしょうか。


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A.M.X.30は実車が登場したとき、その筋のジャーナリストから「いかにもフランス的な流麗なスタイル」と評されたそうですが、タミヤのナポレオンは当時の金型技術で、この複雑で美しい三次曲面を一所懸命に再現しようとしています。
こうして見ると、確かに綺麗です。
当時のキットですから、寸法云々……など、そのような細かい検証は避けますが、それでもかなり印象の良い内容です。
このキット、他の後発タミヤ戦車プラモデルと比べて内容が古いためか一度も再販されておらず、完全に消滅してしまっております。まったく残念!


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せっかくですからニチモ1/35「フランス」と比較してみました。
砲塔のデッサンなどに似た部分はありますが、恐らく実車の資料も少なかったであろう設計条件のなか、両社で独自の解釈をおこなっており興味深いものがあります。こうした同じアイテムでもメーカーによるアレンジの違いというのは大切にして、塗装バリエーションで作り比べてみたくなります。



―――― この時代の戦車プラモデルは、あまり細かいディテールアップなどはせずにキットの素性を生かして作ってみたくなります。
とくにこのナポレオンは流麗なフォルムが評判でしたから、その立体造形物としての魅力を味わいたいと思い、一個作ってみることにしました。


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基本的にはストレート組みです。
デカールはさすがに劣化していて使用不能だったので、フォトショップでそれらしい図柄で自作したものや他キットからの流用品を使ってみました。



さて、世にも珍しいツーショットをご覧ください!
お友達のT.M.さんからエレール製1/35キットを丁寧にストレート組みした完成品をお借りして記念撮影してみました。
日本の老舗の手による古典キットとフランス本国メーカー品とのコラボレーションです!

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T.M.さんの素晴らしい模型博物館サイト「T.M.FACTORY」はこちら!
http://park.geocities.jp/tmfc2007/
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