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レベル(アメリカ)1/118 マーティンPBM-5マリナー飛行艇 (1958年初版) [航空機モデル]

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Revell1/118 Martin PBM-5 Mariner


1983年頃からレベルは「ヒストリーメイカーズシリーズ」と銘打って自社の古いキットの再販を始めました。
僕がこの古典キットに出会ったのはその頃で、他から発売されていない珍しい機種だったこともあってすぐに買い求めましたが、ヒストリーメイカーズがキットの完成写真をあしらったパッケージだったのに対して、後になって初版の頃に使われていた図版を復刻したパッケージのものも再販され始め、その絵柄の見事さに惚れて店頭で見つけるたびに買ってしまいました。
美しい箱絵。小さいのに綺麗で立体的なモールド。まるでSF映画にでも出てきそうな独特のフォルム……本当にお気に入りのキットのひとつです。

PBM-5マリナーは第二次大戦後半に登場した大型飛行艇です。
1945年12月にバミューダ海域で発生したTBFアベンジャー雷撃機編隊の遭難事故の捜索に参加し、その機体もまた忽然と姿を消してしまったという、いわゆる「バミューダ・魔の三角海域」事件でも有名になってしまったというミステリアスな経歴を持つ機体でもあります。

……こういうことってプラモデルの組み立て説明書にも、また戦史などのお堅い本にも書かれておりませんが、実在のメカの歴史を辿っていると、ときとしてこのような興味深いエピソードに出くわし、思わず模型の製作意欲に火が付くことがありますネ!

プラモデルの開発にはかなりの時間とお金がかかると聞いています。
80年代当時、お世辞にも商売安泰とはいえない状況にあった海外の老舗メーカーが、新作キット開発の代わりに自社の大切な財産である古典的キットにもういちど目を向けて、長く続くレトロブームに乗せて再発売する……
ヒストリーメイカーシリーズやその後に続いた復刻版もそうした意図の企画だったのでしょうが、リアルタイムでこうしたヴィンテージキットに親しむことのなかった世代にとっては、昔の稀少キットが手に入って気軽に作ることが出来るというのはありがたいことです。
他の模型メーカーも、新製品ももちろん嬉しいですが、ときにはこうした復刻版サービスをお願いしたいところです。


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これはブラジル・レベルで復刻されたときの箱絵。原画はやはり初版に近い頃のものでしょう。
ロングセラーのプラモデルにはこのように様々なバージョンの箱絵が存在していて楽しめます。
夕陽に照らされなから敵艦を攻撃するマリナー飛行艇……まるで映画のワンシーンのようです。
昔の製品の箱絵は、本当に素晴らしい。
箱絵もキットの値段の一部。こんな箱絵がまた見てみたいものです。


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少ない部品点数で、この巨大な飛行艇の偉容を見事に再現しています。
1/118スケールという落ち着かない数値の縮尺が惜しまれますが、一個のプラモデルとしてのクォリティは1958年という発売時期を考えると世界最高レベルではないかと思います。


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立体感のある彫刻による主翼のリブ等の再現、極小のリベットとスジボリによる外板の表現……。
この時点でレベルはすでに現代でも通じるプラモデルの彫刻技術、細部の表現方法を確立させていたことが解ります。
また爆弾倉ハッチも開閉選択式で、搭載する爆弾を見せることもでき、各部の銃塔とともにこれがただの飛行艇ではなく、かなり強力な攻撃力を持つ機体なのだということをアピールできる構成になっています。
機体のキャラを立たせる構成……ここにもレベルの先見性を見ることが出来ます。


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地球儀をあしらった透明プラ製スタンドは、上に載せた機体の角度を自在に調整でき、高級なデスクトップモデルのような雰囲気を味わうことも出来ます。
こんな楽しいオマケの付いたキットも最近では見かけなくなってしまいました。


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