ブログトップアンダー03.jpg
航空機モデル ブログトップ
前の10件 | -

モノグラム(アメリカ)1/48 ダグラスSBDドーントレス急降下爆撃機 (1960年初版) [航空機モデル]

MONOGRAMDauntless15.jpg


MONOGRAM 1/48 Douglas SBD Dauntless Dive bomber

※トップ画像は1970年代の「バンダイ・モノグラム」版です。

大型爆弾を抱え、敵艦を求めて海上を飛び「二度目はない」やり直しのきかぬダイブを敢行する……「急降下爆撃機(ダイブボマー)」は、第二次大戦を最後に消滅した、今となっては特異な機種です。
ドーントレスは第二次大戦初期、強大な日本海軍に劣勢を強いられていた米海軍にあってパイロットたちの不屈の闘志に支えられて奮戦。後には「ミッドウェー海戦」において、まるで奇跡のように乱戦の中のわずかな間隙を突いて日本海軍の誇る機動部隊を真上から急襲。その主力空母を撃沈して米軍反攻の口火を切ったと言う話はあまりにも有名です。

MONOGRAMDauntless01.jpg

ベテランモデラーの間では「モノグラム神話」と呼ばれるほど、1960年代に日本に輸入されたモノグラムの航空機キットは同時期の国産品に比べて格段にクォリティが高く、その後も驚くほど長い寿命を誇りました。

この「製品としての寿命の長さ」が、極めて面白い現象を生み出すことがあります。

僕がモノグラムの飛行機と出会って夢中になったのは小学4年から5年の頃でした。
当時バンダイが輸入販売していた「バンダイ・モノグラム」版です。
ところが、僕と干支が一回りも違うほどの大先輩の方も、同じく小学4年くらいの頃にモノグラム製品と出会って夢中になった経験があり、歳がこんなに離れているのに、それぞれ同じ年頃に同じ製品に夢中になったということで意気投合して、思い出話に花が咲くことがあるのです。
その大先輩は1960年代、モノグラム製品が日本に初めてお目見えした頃に小学4年生で、お小遣いをせっせと貯めて買い求め、僕はそれから10数年後、まったく同じ品をバンダイが輸入販売してくれたおかげで、彼と同じ小学4年生の頃に同じキットを作って楽しんだわけです。

また当時、日本のマルサンがモノグラム1/48航空機……このドーントレスやアベンジャーを複製して販売、その後ニチモに受け継がれて、これまた長寿キットとなり、本家のモノグラム版に比べて安価なうえに、高荷義之 画伯の手による迫力有るパッケージアートで、当時の少年達に人気を博したようです。


MONOGRAMDauntless12.jpg

僕が小学生上学年になった1970年代中盤頃には、既に航空機プラモは総じて精密志向に走り、可動部の無いディスプレイ仕様が多く、またほとんどのキットの箱絵にはその航空機が活躍している勇壮な絵があしらわれていました。
ボックスアートというやつですネ。
そんな中、店頭で見つけたバンダイ・モノグラム製品のパッケージは、ふだん見慣れた国産キットでは見かけないような、シンプルなキットの完成品見本写真レイアウトとなっており、これが何とも不思議というか、新鮮な感じがして、思わず箱を手にとっていました。

MONOGRAMDauntless13.jpg

雰囲気からして、これは日本の製品ではなく舶来品なのだなというのはすぐにわかりましたが(舶来品……という言葉自体、すでに懐かしいですネ)箱を開けて内容を見てビックリ!
イラストだけではなくふんだんに写真が使われている組み立て説明図、立体的な表面モールド、前時代的に簡略化されてアッという間に完成しそうなコクピット、そして主脚折りたたみなどのギミック(可動の仕掛け)が満載で、加えてパイロット以外にも整備員などのオマケが豊富に含まれていて、僕としては今までほとんど見たこともないようなキットでした。

……実際の処、1960年代の航空機プラモは可動モデル全盛で、国内外の多くのキットが脚引き込みや実機をなぞらえた主翼折りたたみ機構を持っており、ものによってはモーターライズでプロペラ回転というのがほとんど常識的だったのですが、1965年生まれで多感な少年時代を迎えた頃には既にそんな時代が終わって、精密なディスプレイ型航空機プラモを見慣れていた僕にとって、このクラシカルな内容のキットは今まで見たことのない魅力に溢れていて、まるで宝物を手に入れたような気がしたものでした。

とにかく「各部が可動する」ということが「昆虫の標本のように動かないプラモデルではなく、まさに生きている飛行機を再現した楽しいプラモデル」に思えたのです!


MONOGRAMDauntless03.jpg


MONOGRAMDauntless02.jpg

多彩なアクセサリーに加えて、主脚引き込み、ダイブブレーキ連動開閉、爆弾投下……この小さなキットの機体にこれだけのギミックを仕込むのはかなり無理があるのではないか?……そう思う方もいらっしゃるでしょうが、ここがモノグラムのスゴイところで、どのギミックも確実に作動して、丁寧に扱っていれば完成後に壊れることがありません。


―――― この当時、せっせとお小遣いを貯めてバンダイ・モノグラムとして発売された単発機キットはほとんど作りましたが、そんな中からこのドーントレスを真っ先にご紹介するのにはワケがあります。

このドーントレスは、当時小学生だった僕が生まれて初めて「ジオラマ」らしきものを完全自作で作った、個人的には非常に思い出深い品なのです。
もちろんそれまでにも国産品のジオラマキットを作ったことがありましたが、それはたいてい地形を再現したベース部品や木々を再現するための材料が同梱されたもので、キットを組み立てればジオラマ仕立てに仕上がるというもので、地面……台座から自分で作ったのはこのドーントレスが初めてでした。

ジオラマ……といっても、このキットには機体以外に整備員や爆弾運搬用ドリーなどのオマケが入っていたから、それを綺麗に展示しておきたいという、まァ「飾り台」みたいなものだったのですが(笑)
クッキー菓子の空き箱をニス塗りの木箱のように茶色く塗り、キットの箱から切り抜いた機名をタイトル代わりに貼り付け、そしてその上に空母の飛行甲板に見立ててバルサ材を貼り、ちょっとした飾り付けをしたうえで、完成した機体と付属のアクセサリー、フィギュアを並べて飾ったのでした。
遊びに来た同級生の友達に感心され、羨ましがられたのを覚えています。

そんなことが出来たのも、モノグラムのドーントレスが主脚引き込み可動で飛行状態と駐機状態の両方のフォルムが楽しめ、しかもアクセサリーが豊富に含まれているといった楽しい内容だったためで、その後に作ったモノグラムの飛行機キットにも簡単なジオラマ仕立ての台を作って飾るようにしました。


―――― このジオラマ、もちろん今となっては現存していませんので、記憶を頼りに絵を描いてみました。

MONOGRAMDauntless09.jpg

なにせイラストは大の苦手で、稚拙な解りにくい絵になってしまい申し訳ございません。
何のことはないタダの飾り台なのですが、当時の子供としてはこういうものを自分で作れたのが嬉しくて仕方ありませんでした。


MONOGRAMDauntless14.jpg

それにしてもこの立体感溢れるモールド……今見ても、溜息が出ます。
ちょっと、オーバーじゃないのかなぁ……と、思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、最近の繊細なモールドを持つ精密キットを塗装するときによく行う「薄吹き」ではなく、大胆に、いわば鉄製の外板にペンキを塗る感覚で塗装してみてください。
このパンチの効いたモールドの描き出す陰影が、まさに実機のように感じられるはずです。

MONOGRAMDauntless04.jpg

細かい部品は袋詰めにされ、機体のフォルムが一目でわかる主要部品のみシートに貼り付けられているのがバンダイ・モノグラム版の特徴でした。

MONOGRAMDauntless05.jpg

このシートから部品をそっと取り外すと、バンダイ・モノグラムのシリーズとして発売されている様々な機体の塗装カラーガイドが姿を現します。
“FLIGHT PATROL”というキャッチコピーともども、この細密カラー図は購買意欲をそそりました。

バンダイ版独自のサービスとしては、このカラーシートに加えて航空隊の部隊マークを再現したけっこう大判のステッカーまでオマケに入っていたりもしましたから、当時の飛行機好きの子供は大喜びでカバンや自転車に貼ったものです。

MONOGRAMDauntless10.jpg

MONOGRAMDauntless11.jpg

後になって、アメリカ建国200年記念のお祝いムードに乗って海戦映画「ミッドウェイ」が公開されており、この作品とタイアップしたリーフレットもオマケに入っていた時期もありました。
子供は、こういうオマケに弱いんです。



……さて、10年ほど前に気紛れに作った完成品がまだ手許に残っていたので写真を撮り直してみました。
稚拙な仕上がりですがご笑覧ください。
昔作ったジオラマへの個人的オマージュみたいな構図にしてみました。

MONOGRAMDauntless07.jpg



フォルムはキットそのまま。
コクピットや後部銃座には他のキットから持ってきた部品でちょっとだけお化粧直しをしてみました。
ダイブブレーキは丁度良い径のピンパイス・ドリルがあったのでこまめに開口してみました。
主脚引き込み、ダイブブレーキ連動開閉、爆弾投下などのギミックは全て生かしてあり、手許に残っていたミニベビーモーターを仕込んでモーターライズでプロペラが回るようにしてみました。
いろいろ遊べて本当に楽しいキットです。

MONOGRAMDauntless06.jpg


MONOGRAMDauntless08.jpg





―――― また、繰り返し述べてきたように初期モノグラムのキットの醍醐味は豊富なギミックです。

それを最大限に生かせば、こんな写真を撮って遊ぶこともできます。



MONOGRAMDauntless16.jpg




……種を明かせば、このとおり!(笑)



MONOGRAMDauntless17.jpg


何も難しいことをせずとも、キットの素性を生かしてチョット工夫するだけで、こんな遊び方ができるんです。
ちなみに撮影に使ったのもオリンパスの一般的なコンパクトデジタルカメラ。
照明は天井の蛍光灯だけです。

ねっ、楽しいでしょ!(^^)



―――― 正統派航空機モデラーの方がご覧になれば笑ってしまいそうな完成品まで恥ずかしげもなく掲載してしまいましたが、今でも僕は一連の「オール可動型 古典的モノグラム航空機キット」をこよなく愛しています。
これからも手許にある懐かしいモノグラムの航空機キットを出来るだけ多く紹介していきたいと思っています。


……今回は強く思い出に残るキットのご紹介だったので、いつになく饒舌になってしまいました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

レベル(アメリカ)1/118 マーティンPBM-5マリナー飛行艇 (1958年初版) [航空機モデル]

tac-pbm5-01.jpg

Revell1/118 Martin PBM-5 Mariner


1983年頃からレベルは「ヒストリーメイカーズシリーズ」と銘打って自社の古いキットの再販を始めました。
僕がこの古典キットに出会ったのはその頃で、他から発売されていない珍しい機種だったこともあってすぐに買い求めましたが、ヒストリーメイカーズがキットの完成写真をあしらったパッケージだったのに対して、後になって初版の頃に使われていた図版を復刻したパッケージのものも再販され始め、その絵柄の見事さに惚れて店頭で見つけるたびに買ってしまいました。
美しい箱絵。小さいのに綺麗で立体的なモールド。まるでSF映画にでも出てきそうな独特のフォルム……本当にお気に入りのキットのひとつです。

PBM-5マリナーは第二次大戦後半に登場した大型飛行艇です。
1945年12月にバミューダ海域で発生したTBFアベンジャー雷撃機編隊の遭難事故の捜索に参加し、その機体もまた忽然と姿を消してしまったという、いわゆる「バミューダ・魔の三角海域」事件でも有名になってしまったというミステリアスな経歴を持つ機体でもあります。

……こういうことってプラモデルの組み立て説明書にも、また戦史などのお堅い本にも書かれておりませんが、実在のメカの歴史を辿っていると、ときとしてこのような興味深いエピソードに出くわし、思わず模型の製作意欲に火が付くことがありますネ!

プラモデルの開発にはかなりの時間とお金がかかると聞いています。
80年代当時、お世辞にも商売安泰とはいえない状況にあった海外の老舗メーカーが、新作キット開発の代わりに自社の大切な財産である古典的キットにもういちど目を向けて、長く続くレトロブームに乗せて再発売する……
ヒストリーメイカーシリーズやその後に続いた復刻版もそうした意図の企画だったのでしょうが、リアルタイムでこうしたヴィンテージキットに親しむことのなかった世代にとっては、昔の稀少キットが手に入って気軽に作ることが出来るというのはありがたいことです。
他の模型メーカーも、新製品ももちろん嬉しいですが、ときにはこうした復刻版サービスをお願いしたいところです。


tac-pbm5-02.jpg

これはブラジル・レベルで復刻されたときの箱絵。原画はやはり初版に近い頃のものでしょう。
ロングセラーのプラモデルにはこのように様々なバージョンの箱絵が存在していて楽しめます。
夕陽に照らされなから敵艦を攻撃するマリナー飛行艇……まるで映画のワンシーンのようです。
昔の製品の箱絵は、本当に素晴らしい。
箱絵もキットの値段の一部。こんな箱絵がまた見てみたいものです。


tac-pbm5-03.jpg

少ない部品点数で、この巨大な飛行艇の偉容を見事に再現しています。
1/118スケールという落ち着かない数値の縮尺が惜しまれますが、一個のプラモデルとしてのクォリティは1958年という発売時期を考えると世界最高レベルではないかと思います。


tac-pbm5-04.jpg

立体感のある彫刻による主翼のリブ等の再現、極小のリベットとスジボリによる外板の表現……。
この時点でレベルはすでに現代でも通じるプラモデルの彫刻技術、細部の表現方法を確立させていたことが解ります。
また爆弾倉ハッチも開閉選択式で、搭載する爆弾を見せることもでき、各部の銃塔とともにこれがただの飛行艇ではなく、かなり強力な攻撃力を持つ機体なのだということをアピールできる構成になっています。
機体のキャラを立たせる構成……ここにもレベルの先見性を見ることが出来ます。


tac-pbm5-05.jpg

地球儀をあしらった透明プラ製スタンドは、上に載せた機体の角度を自在に調整でき、高級なデスクトップモデルのような雰囲気を味わうことも出来ます。
こんな楽しいオマケの付いたキットも最近では見かけなくなってしまいました。


nice!(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

オーロラ(アメリカ)1/77 C-119フライングボックスカー (1960年初版) [航空機モデル]

C119a.jpg

AURORA 1/77 Fairchild C-119 FLYINGBOXCAR


楽しい形の飛行機です。
ちょっとコジャレた言い方をれば“ツインテール”。
頑丈そうな胴体から2本のテイルブームを伸ばした特徴的なシルエットを持つ輸送機で、朝鮮やベトナムの戦乱の中を駆け巡って活躍した機体です。
映画でも本機の原型となったC-82がロバート・アルドリッチ監督の「飛べ!フェニックス」に、C-119がリメイク版「フライト・オブ・フェニックス」に登場しており、またアクション映画「コンエアー」などでも使われていましたから若い世代の方もご存じかと思います。
昔は日本国内の米軍基地でもその巨体を見ることができたでしょう。

C119b.jpg

僕は航空機キットも好きで時折気に入ったものに絞って作っていますが、C-119は近年になってイタレリが1/72で発売するまで良いキットが無く、この古いオーロラ製を苦労して探すほかありませんでした。

飛行機は飛んでいる姿がやはり最高に格好良いとは思いますが、地上にいる姿勢の場合、C-119のような輸送機は搭載する車両や物資などの小道具とからめてディオラマ展開して、戦闘機や爆撃機の勇ましさとは違った世界観を創れるのが好きです。
C-119は“フライングボックスカー”というネーミングも良いです。
「空飛ぶ貨車」という意味らしいですが、まさに直球勝負、飾りっ気が無いのがイイです。

C119e.jpg

そういう需要を見越しての製品化なのでしょう。オーロラのキットにも後部の「クラムシェルドア」を開けて出し入れするためのジープや榴弾砲がオマケとして付いています。
空輸されるために一部分解してカバーがかけられたように造作されているのがユニークです。


C119d.jpg

何せ1960年発売です。前時代的センスのしつらえですが、中でも機体のマーキングが彫刻処理されて塗り分けられるようになっているのが印象的です。
もちろんそれとは別にマーキング再現用のデカールも豊富にセットされています。


C119f.jpg

組み立て説明書に記載されている完成品見本写真。
なかなか威風堂々たる仕上がりです。
当時オーロラが発売していた他の製品のカタログも載っていて、細かい文字を目で追うとなかなか楽しめます。
1/77という随分落ち着かないスケールのキットですが、各社から1/76で様々な車両キットが発売されていますから、いろいろ組み合わせて飛行場の情景を作るのも楽しそうです。

nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

田宮(日本) 1/50 日本陸軍二式戦闘機 鐘馗 (1964年初版) [航空機モデル]

TamiyaSyouki01.jpg

TAMIYA1/50 NAKAJIMA Ki-44 Syouki “Tojo”


ボーイングB-29爆撃機などの迎撃に活躍した逞しいシルエットを持つ短距離型防空戦闘機です。

現在では航空機モデルの主要スケールは1/48になっていますが、1960年代中盤頃まではまだまだ国内製品には1/50スケールが多かったようです。
欧米のプラモデルのスケール設定はフィート・インチから来ているわけですが、メートル法を採用している日本国内では1/48よりもキリのいい数値の1/50というほうが親しみやすかったのかも知れません。


TamiyaSyouki04.jpg


……こんなコトを書いてしまうと日本機の熱心なファンの方からはお叱りを受けそうですが、実は僕は日本製よりも欧米製に好みの機体が多いのです。

たいていの日本機というのは上品で美しいラインを持っていますね。
無駄もなく、そのシルエットに清潔感のようなものさえ感じてしまうことがあります。
このあたりが、たぶん僕の好みに合わないのでしょう。
女性に例えれば、モデルのような美人さんよりも少しムッチリしていて愛嬌のある娘のほうが好きだ……という嗜好が模型趣味にも出てしまうんですネ(笑)
そんなわけで、日本機ならばこの鍾馗や雷電のように、ちょっとヒネリのあるフォルムをした機体が好みなのです。

TamiyaSyouki05.jpg

田宮の「1/50日本傑作航空機シリーズ」は1970年には一部を除いて生産中止となり、新たに設計された高品質の1/48モデルにその座を譲っていくことになったので、僕はほとんど原体験がありません。
ただ、古い田宮のミニカタログなどには掲載されていてその存在は知っており、いつか作ってみたいなァと思っていました。
というのは、少年時代にはバンダイが輸入販売を始めたモノグラム製の1/48航空機キットをよく作っていて、その主脚引き込みや主翼折りたたみなどの可動部分が気に入って、ほぼ同じくらいのスケールで可動部分の多い日本機のキットも作って並べてみたいと思っていたからです。

TamiyaSyouki02.jpg

田宮の「1/50日本傑作航空機シリーズ」は、主脚引き込みやファウラーフラップなどの可動とモーターライズが楽しめるキットでしたから、ぜひ作ってモノグラムのキットと並べてみたかったのです。
しかし時既に遅し。あの当時はこのシリーズの売れ残りを見つけるのは大変でした。ほとんど見たことがありません。
この歳になってようやく巡り会えたような状態です。

TamiyaSyouki06.jpg

機体、主翼の表面には かなりメリハリの効いたモールドが施されています。
ちょっと過剰じゃないかな……と思っても、こういう彫刻は塗装をすると非常に良い印象に仕上がることが多く、とくに昔はエアブラシによる薄塗りではなく塗膜が厚くなりがちな筆塗りが主流でしたから、このくらいパンチの効いた表面処理のほうが効果的だったと思います。

TamiyaSyouki07.jpg

エンジンや細部パーツも相応の仕上がり。
このあたりはモデラーの腕の見せ所でしょう。

TamiyaSyouki08.jpg

キャノピーの透明部品は同時代に販売されていたモノグラムなどの輸入品に比べると厚みや透明度の面でかないませんが、当時の国産キットの大半はこのくらいの仕上がりだったのではないでしょうか。

TamiyaSyouki11.jpg

デカールも比較的充実しており、4種類の塗装からセレクトできるようになっています。
さすがに経年変化で黄ばんでおり、これから作ろうとすると1/48クラスのキットから使えそうなデカールを流用するか、頑張って手描きすることになりそうです。



TamiyaSyouki09.jpg

さて、冒頭で好みの日本機として「日本海軍局地戦闘機 雷電」の名を挙げましたが、このシリーズにもちゃんと雷電が含まれています。
後に名作と言われたタミヤ1/48エアクラフトシリーズの雷電が登場する9年前の製品です。

TamiyaSyouki10.jpg

同じシリーズで好みの機体が手に入るというのはなかなか嬉しいものです。
ちょっと両者を比較してみました。

TamiyaSyouki12.jpg

雷電は1964年 2月の発売、鍾馗は同年5月の発売で、3ヶ月しか差がありませんが、それでも後発の鍾馗のほうが全体的なクォリテイはそうとう向上しているように思えます。
一流メーカーを目指して寸暇を惜しんで遮二無二頑張っていた田宮の努力の表れでしょうか。

現在では鍾馗も雷電も1/48クラスで高品質なキットが簡単に手に入り、作ることが出来ますが、この2機は往時を偲んで、できるだけキットの持ち味を生かしながら製作して、可動部分も存分に楽しみたいと思っています。



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

リンドバーグ(アメリカ)約1/85  コンベアB-58ハスラー (1958~1960年頃初版) [航空機モデル]

LINDhustler01.jpg

LINDBERG1/85 Convair B-58 Hustler


米空軍初の超音速戦略爆撃機ということで話題を呼び、当時は各社こぞって模型を発売したマッハ2の怪鳥です。初飛行は1956年末。1960年から実戦配備されましたが、10年も経たぬうちに退役した短命の機体でした。

僕の不勉強で初版キットの詳しい発売時期が掴めませんでしたが、実機のこうした経歴や箱に印刷されたリンドバーグのロゴマークの形態などにより、1950年代末期か60年代極初期と推定しています。


LINDhustler02.jpg


パッケージや説明書にスケール表示はなく、書籍等では1/128スケールといった紹介がされることも多いようですが、実際に胴体部品などの寸法を測ってみると1/85~1/86程度のスケールだと思われます。
比較的小型スケールの航空機キットは1/72や1/144が主流となっている現代においては何とも中途半端な縮尺に思えますが、別の見方をすればロコ社が豊富に発売していたHOスケール(1/87)の支援車両、輸送車両などと組み合わせて自然なバランスでディオラマ展開できるというメリットもあります。

なお、パッケージには「112パーツ」そして組み立て説明書には「105パーツ」と印刷されていますが、これはオマケの透明パーツ製スタンドなど全部含めてパーツ総数112だが、機体そのものは105パーツで組み上がる……ということでしょう。

LINDhustler03.jpg



……15年ほど前にふとしたことからこのキットの内容を知り、探し回ってようやくこの初版パッケージの物を入手しました。
後に完成品写真箱になって再販もされていますが、できればこのダイナミックな箱絵の版が欲しかったのです。

モノグラムの第二次大戦機、レベルのデルタダガーなど、プロポーションと豊富な可動部分の楽しさを両立させた名作キットの影に隠れて地味な存在ですが、実はこのハスラー、各脚が複雑な機構で折り畳み収納可動となっており、エンジンも再現され完成後もエンジンナセルカバーを外して見ることができるようになっている楽しいキットなのです。
リンドバーグのキットというと現代の視点では古色蒼然としたものも多く玉石混淆といった印象が強いですが、しかしコレを知ってしまったら、そりゃも~作りたくなりますよネ!


LINDhustler04.jpg

なにせ東西両陣営がしのぎを削っていた当時の最新鋭機、軍事機密も多く模型化にあたっての資料収集も大変だったと思いますが、コクピット内部やエンジン部分など、可能な限り細かいモールドを彫り込んで精密感を高めたいという意識が伝わってきます。


LINDhustler05.jpg

古い国産航空機キットに付属している搭乗員フィギュアというと、まるでお地蔵さんかダルマさんのようにポヤ~ンとしたものも多くありましたが、リンドバーグは当時最先端の装備を身にまとった3人のクルーを細かく描写しています。特徴的なポージングによって、これがパイロットこれがナビゲーターと、その役割が解るほどです。


LINDhustler06.jpg

自慢の可動部分。主脚引き込み機構です。
2本のアームが平行に傾き、車台部分がくるっと半回転して主翼内に収まります。
もちろん各カバーも開閉します。

小スケールキットとはいえ、完成すると全長は30センチを超える大物です。
このキットの、コクピット等とは対照的に大人しい機体表面処理を見ていると、サテどんなふうにシルバーを塗れば存在感満点のモデルに仕上がるだろう? 普段は飛行場のディオラマベースに車両やフィギュアとともに展示しておき、ときにはヒョイと手で持ち上げて脚収納ギミックを楽しんで……と、夢の広がるキットです。
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

レベル(アメリカ)1/32 カーチスP-40E“フライングタイガー” (1967年初版) [航空機モデル]

p-40e-01.jpg

Revell1/32 Curtiss P-40E FLYING TIGER 


レベルサンニーのカーチスP-40!!
この名前を聞くだけで、僕は今でもドキドキしてしまいます。

小学生の頃……それまでも飛行機のプラモデルは大小とりまぜていくつも作っていて、大好きなカーチスウォーホークはオータキ1/48などを作っていましたが、この風格ある大きな箱の1/32キットを手にしたときの喜びは、今も忘れられません。


p-40e-02.jpg

恐る恐ると開けた箱の中には、映画などで見たままの、僕の知っているウォーホークそのものが入っていました。


p-40e-03.jpg

付属の美しいカラーイラストや橋本喜久男氏による改造アイデア記事なども貪るように読みました。

アリソンエンジンも当時としては立体的なモールドで再現されており、機体の可動部の多さに目を見張りました。


組み立て説明図からの抜粋。
この可動部分の豊富さはどうでしょう!
p-40e-04.jpg

各動翼可動。
主脚は90度ひねって収納。もちろん各カバーも開閉。
キャノピーも開きます。

単なる置物ではなく「生きている飛行機」を作れる実感がありました。


そして極めつけは、その繊細かつ大胆な表面モールド!
p-40e-05.jpg

「本物の飛行機は、こんなふうになっているんだよ」とモールド自体が語りかけてくるかのような説得力。
外板の継ぎ目は「厚さ」を変えて表現され、リベットは単なるボツボツではなく、半分機体に埋め込まれたような円形。
凸モールドとスジボリの的確な使い分けによる、得も言われぬ立体感。
薄い金属板が骨組みの上に被せられ、しっかりと建て付けられて頑丈に仕上がっている……そんなことを実感させてくれました。
これしかない!本物の飛行機プラモって、これしかない!……小学生の僕は、本気でそう思いました。


p-40e-06.jpg

時代を超えて、世界でいちばんシャークマウスの似合う飛行機……それがP-40。
このキットにも美しいデカールが入っていました。


これ以降、現在に至るまでレベルのフライングタイガーを超える説得力、重量感、そして模型としての楽しさを持った航空機プラモデルになかなか出会えませんでした。

今でさえ、買えるものなら10個でも100個でも欲しいと僕に思わせる航空機プラモデル、それはレベル1/32のP-40です。

……でも、これは逆に寂しいことでもあります。

21世紀に入って、各社が新世代型ともいえる1/32航空機キットを出し始めました。
ですからまたいつか、このP40のようなインパクトを持ったキットが、最新の技術を駆使した素晴らしい内容で発売されてほしいと思っています。
現在の技術ならば、実機の質感を思わせる立体的表現のなされた機体に、生きている機械であることを実感させてくれる信頼性の高い可動機構を盛り込んだ航空機キットが開発できるはず。
タミヤの新しい1/32零戦やスピットファイアのように、すでに一部ではそのような製品が出回り始めたようです。
これからの展開に大いに期待したいと思います。
nice!(0)  トラックバック(0) 

エーダイ(日本・永大)1/76 V-2号ロケットセット (1973年初版) [航空機モデル]

v2-01.jpg

EIDAI 1/76 GERMAN V2 ROCKET SYSTEM


昭和40年生まれの僕らが少年時代からミリタリーのプラモデルといえば1/35、そして「ミニスケール」と呼ばれる小さくて可愛らしい1/72や1/76のキットが多くのファンに愛されていましたが、そんな中でも永大(エーダイ……と発音していました)のキットは部品が少なく、組み立てが簡単ながらも、ハセガワ1/72やフジミ1/76に比べて、どうも内容が簡単すぎるような気がして、あまり好きになれませんでした。

しかし、エーダイというメーカーに対するそんな先入観をフッ飛ばしてくれたのが、この「V-2号ロケットセット」でした。

v2-02.jpg

1970年代当時の少年たちは、このキットの内容と組み立て説明書に詳述されている解説文によって、V-2号ロケットとはいかなるものかということを教えられたのではないでしょうか。
僕自身、相当なインパクトを感じました。

v2-03.jpg

子供心にも、模型メーカーの意気込み、気迫が感じられるような思いでした。
当時600円だったとのことですが、記憶では2000円くらいして、なかなか買えないような感覚でした。
それだけ迫力あるキットだったのでしょう。

v2-04.jpg

キットには、V-2号ロケット本体とそれを運ぶキャリア、ハノマグ社製の大型トラクタ、8トンハーフトラック改造の管制装置車、追尾レーダーがセットされています。
キットの中身だけで、ロンドン市民を恐怖に陥れたと言われる歴史的な存在、V-2号ロケットの移動発射基地を再現することが出来るのです。
ただ、人形が付いていないのがチョット寂しかったような記憶があります。

v2-05.jpg

各部のモールドもたいしたもので、凸リベットやスジボリをうまく使い分けて、ノッペリしがちなミサイルの部品に精密感を与えています。
少年時代の僕はその説得力にすっかりヤラレてしまいました。


……このキットにビックラこいた小学生の僕は、いつものように接着剤ベタベタ、プラカラーぐちゃぐちゃで作る気持ちにならず、ソッと本棚にしまい込んで、何年間にも渡って、時々その箱を開けては部品をホ~ホ~と眺めて暮らしておりました。

しかし、そんな僕の「秘蔵のキット」にも、ついに晴れの舞台がやってまいりました。
それは高校に入学した後のことです。その年の文化祭では、クラスでひとつのテーマを決めて、クラス内でいくつかのグループに別れて研究成果を展示することとなりました。
さぁて、TAC君のいる1年7組のテーマは「宇宙」と決まりました。

僕らのグループでは何をするか……? 
そうだ! イラストと模型を使って、宇宙開発の歴史を展示しよう!

そこで、その後の宇宙ロケットの基礎となったV-2号ロケットから、最新のスペースシャトル・オービターなどのプラモデルを作り、ディオラマ仕立てで飾り、足りない部分をイラストで補ったのでした。

v2-06.jpg


……画像は、その当時のものです。
現像・焼き付けを不慣れな自分でやったもので失敗して悲惨な写真になっていますが、これは紛れもなくあの当時、宮崎県立延岡西高校1年7組の教室に展示されたエーダイグリップのV-2号ロケットセットです(笑)



―――― サテ皆さん、実は他にもV-2号ロケットのミニスケールキットがあったのをご存じでしょうか?

v2-07.jpg

これはレベルが発売していたものです。
僕が持っているのは1982年頃にレベルが「ヒストリーメイカーズ」というシリーズ名で古いキットを再販したときのものですので、さほど珍しいものではないのですが、中身は恐らく1960年代に発売されたV-2号ロケットそのままのはずです。

v2-08.jpg

中身はエーダイのものに負けず劣らず。
古いキットなのに精緻な部品がいっぱいセットされています。
スケールは1/54と書かれていますが、実際はもっと小さくて実寸は恐らく1/70前後ではないかと思います。


v2-09.jpg

レベルのキットの特徴は、ロケット本体とキャリア(発射台)がセットされている他に、ロケットの内部構造が再現されていることです。
キット完成後もロケット本体の左右をパカッと開けて、中の様子を見ることが出来ます。
一種の「教材」としての役割も持てる、非常に優れたキットです。

v2-10.jpg

キットには地上整備員らしいフィギュアが3体入っています。
そのうちの1人は、整った髪型でシャツにネクタイ姿、片手に重要書類らしきものを持った紳士。
これは、若き日のフォン・ブラウン博士をモデルにしているのでしょうか。
そう考えると実に楽しいキットです。


nice!(0)  トラックバック(1) 

東京マルイ(日本)1/36 富士FA-200エアロスバル (1969~1970年頃初版) [航空機モデル]

fa-200-01.jpg

TokyoMarui1/36 FUJI FA-200 AERO SUBARU


1/35のミリタリーモデルを散々作っていると、それ以外のジャンルのもので似通ったスケールのものを作って、
自分のコレクションの1/35戦車たちと並べてみたくなる……そんな経験、皆さんもおありではないでしょうか?

小学生の僕は「1/35の戦車と並べられる、船や飛行機ってないかなァ? どうせならみんなが持っている1/32の飛行機とは違う何か変わったものがいいなア……」などと思いながら、いつも行く模型屋さんの棚を隅から隅まで“偵察”していたものです。

そんなときに見つけたのが、当時マルイが発売していた1/36の民間小型機……いわゆるセスナ機のシリーズでした。

fa-200-02.jpg

1/36というと何とも中途半端なスケールに感じますが、ミニカーの世界では昔からこのくらいのスケールでいろいろと出ているようですし、そういったものと組み合わせて楽しめる……といった思惑もあっての模型化だったのではないでしょうか。

fa-200-04.jpg

キットはなかなか凝った内容で、ミニベビーモーターでプロペラ回転可能。
ドアなどがある場合はキチンと開閉ギミックが付いていました。


少年時代の僕は見落としていましたが、現在の目で改めてこのキットを仔細に観察すると……すごいすごい!

fa-200-03.jpg

機体や主翼の表面は、極小凸リベット、凹リベット、スジボリと凸モールドなど……当時およそ考え得る、あらゆる金型技術の組み合わせで、小型機らしい「生活感」を表現しようとする努力が見られます。

今でこそマルイはエアガンやラジコンで有名なメーカーに成長していますが、当時はこんなにマジメにプラモデルを設計してくれていたんですね。


fa-200-05.jpg

キットにはパイロットと地上整備員(もちろん軍人ではなく、民間のお父さんです)のフィギュアと高級感のあるスタンドが付属しています。
こんなオマケを最大限に活用して1/35クラスの車両とも組み合わせて、郊外の小さな民間飛行場やアメリカの片田舎、アフリカの大草原などで活躍する民間パイロットのディオラマが作れたら……ん~ん、夢が広がります。
少年時代の僕には、そこまでキャパシティー広くイマジネーションを展開する余裕がありませんでしたが、今の僕ならナントカ出来そうです。
いつかは綺麗に作ってあげるからね~!


マルイはこのエアロスバルの他にも1/36シリーズでセスナスカイホーク172水上機やパイパーPA-28チェロキーなどをリリースしていました。
fa-200-06.jpg

東京マルイがプラモデル販売をやめてしまった今となってはなかなか見つからないキットで、僕も画像の2品しか持っていませんが、全部揃えてみたくなるシリーズです。


nice!(0)  トラックバック(0) 

エアフィックス(イギリス)1/72  ボーイングB-17Gフライングフォートレス (1962年初版) [航空機モデル]

AirfixB17a.jpg

AIRFIX1/72 BOEING B-17G Flying Fortress


“空飛ぶ要塞”と謳われた歴史的に有名な戦略爆撃機ボーイングB-17。
第二次大戦中の記録フィルムや映画でもお馴染みの逞しいフォルムを持つ機体です。

―――― 爆撃機は目標に向けての爆撃航路に入ったら、敵からいかなる攻撃を受けても回避行動をとってはならないのだと聞いたことがあります。
危険を冒して遠路はるばる運んできた爆弾を目標から外さないためなのでしょう。

ご存じのようにエアフィックスは英国の老舗プラモデルメーカーです。
ドイツ空軍の迎撃機フォッケウルフの攻撃を受け、エンジンから火を噴きながらも爆弾投下を止めずに飛び続けるB-17の姿を描いたこの壮絶な箱絵は、ヨーロッパ、とくに英国人の「たとえ趣味で作るプラモデルの世界でも過酷な事実から目を背けてはならない」という姿勢、歴史観を表現しているように思えます。


AirfixB17b.jpg

少年時代、僕が生まれて初めて作った“空飛ぶ要塞”のプラモデルが、このエアフィックス1/72でした。
オボロゲな記憶を辿ると……その頃に読んだ零戦パイロット・坂井三郎さんの本にあった「その巨体が照準器に収まりきらない」といった記述が強く印象に残っていて、店頭で見つけて買ったのがこのキットだったと思います。
機体に比べて、驚くほど小さな箱……この箱の中の部品で、本当にあのでっかいB-17が完成するのだろうかと、当時は不思議に思ったものです。


AirfixB17c.jpg

僕がこのキット(70年代当時はトミーが輸入していてトミー・エアフィックスという商標になっていました)を見つけたのと前後して、日本のハセガワが1/72でB-17を発売しましたが、ハセガワが最初に発売したのはF型だったのに対してエアフィックスは機首に勇ましい銃塔が付いたG型。しかも主脚が引っ込む可動ギミック付きのうえ、アッサリとした表面仕上げのハセガワに比べて全体に凸リベットが打たれた重々しい雰囲気が気に入って、エアフィックスを選んだのを覚えています。
確か、値段もエアフィックスのほうが安かったと思います。
なにせ1960年代初めの製品ですから、当時としても大ベテランキットで輸入品とは言え価格もこなれていたのでしょう。
しかしあの頃はそんなに古い製品とは思わず、せいぜい1970年頃のものだろうと思っていました。
プラモデルという製品の寿命は本当に長いですね!

AirfixB17d.jpg

プラモデルには、成形上の都合で部品の表面が窪んだり波打ったりする「ヒケ」という状態が見受けられることがたびたびあります。
それは成形技術の関係で古いキットほど目立つものですが、このB-17にも胴体などにヒケが見られました。
しかしこのキットを買った当時は、全体を覆う重戦車のようなリベットとヒケが、まるで実機の外板が波打っている様子を表現しているように思えて「映画に出てくるB-17と同じだ!」と感激したものです。


AirfixB17e.jpg

ちょっと色っぽいノーズアートを再現したデカール。
エアフィックスのロゴが誇らしげに刻印され、透明度の高いクリア部品で用意されたスタンドとともに、何となく大人びた雰囲気のあるキットでした。
もっとも当時からして製品自体が古く、デカールも劣化していたようで、貼ろうと水に浸すとパリパリにひび割れてダイナシになってしまいました。

……実際のところ、少年時代には作るのにたいへん苦労したキットです。
部品の勘合がさほど良くなく変形している部分もあり、いろいろな部品を組み込んだ左右の長い胴体部品を接着しても、パイン!と剥がれてしまい難儀しました。

でも今だったらあの当時に比べてもう少し格好良く作ることが出来るんじゃないかなァ……部品を眺めながら、いつもそんなことを考えています。


nice!(0)  トラックバック(0) 

オーロラ(アメリカ)1/72 AH-56Aシャイアン 攻撃ヘリコプター (1968年初版) [航空機モデル]

ah-56-01.jpg

AURORA1/72 AH-56A Cheyenne Attack chopper


その先鋭的な機体形状からして新世代型攻撃ヘリAH-64 アパッチの対抗機種か後継機のように思ってしまいそうですが、シャイアンは1966年頃からロッキード社で試作が開始された古い攻撃ヘリで、実用性の高いAH-1コブラに敗れて量産されなかった幻の機体です。
史上初の攻撃型ヘリコプターとして昔の子供向け航空機図鑑などにはよくイラストが載っていました。

オーロラほど、製品によって品質や作風がコロコロと変わるメーカーも珍しいのではないでしょうか。
スケールモデル派にはあまり良い評判は聞きませんでしたが、ドラキュラや半魚人などユニバーサル映画に登場したモンスターなどのキットは芸術的に素晴らしいものでした。


ah-56-02.jpg

シャイアンのキットはオーロラのものが世界唯一……といったことを以前に聞いたことがあり、この機体が好きなこともあって怖いもの見たさで15年ほど前から探していましたが、ようやく入手することが出来ました。

ah-56-03.jpg

なんともアッサリした内容で拍子抜けしてしまいますが、それでもキット内容をよく観察すると、
この特異な形状を持つヘリの姿を要領よく再現していることがわかります。

これだったらそう悪くないなァ。

1つしか持っていないのでモッタイナイという気持ちもありますが、せっかく探しあてたシヤイアン、いずれジックリと作ってみようと思ってます。

でも、精密なディテールアップはしません。
この時代の、このキットの良さを大切にしてみようと思っています。


nice!(1)  トラックバック(0) 
前の10件 | - 航空機モデル ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。