オーロラ(アメリカ)1/77 C-119フライングボックスカー (1960年初版) [航空機モデル]
AURORA 1/77 Fairchild C-119 FLYINGBOXCAR
楽しい形の飛行機です。
ちょっとコジャレた言い方をれば“ツインテール”。
頑丈そうな胴体から2本のテイルブームを伸ばした特徴的なシルエットを持つ輸送機で、朝鮮やベトナムの戦乱の中を駆け巡って活躍した機体です。
映画でも本機の原型となったC-82がロバート・アルドリッチ監督の「飛べ!フェニックス」に、C-119がリメイク版「フライト・オブ・フェニックス」に登場しており、またアクション映画「コンエアー」などでも使われていましたから若い世代の方もご存じかと思います。
昔は日本国内の米軍基地でもその巨体を見ることができたでしょう。
僕は航空機キットも好きで時折気に入ったものに絞って作っていますが、C-119は近年になってイタレリが1/72で発売するまで良いキットが無く、この古いオーロラ製を苦労して探すほかありませんでした。
飛行機は飛んでいる姿がやはり最高に格好良いとは思いますが、地上にいる姿勢の場合、C-119のような輸送機は搭載する車両や物資などの小道具とからめてディオラマ展開して、戦闘機や爆撃機の勇ましさとは違った世界観を創れるのが好きです。
C-119は“フライングボックスカー”というネーミングも良いです。
「空飛ぶ貨車」という意味らしいですが、まさに直球勝負、飾りっ気が無いのがイイです。
そういう需要を見越しての製品化なのでしょう。オーロラのキットにも後部の「クラムシェルドア」を開けて出し入れするためのジープや榴弾砲がオマケとして付いています。
空輸されるために一部分解してカバーがかけられたように造作されているのがユニークです。
何せ1960年発売です。前時代的センスのしつらえですが、中でも機体のマーキングが彫刻処理されて塗り分けられるようになっているのが印象的です。
もちろんそれとは別にマーキング再現用のデカールも豊富にセットされています。
組み立て説明書に記載されている完成品見本写真。
なかなか威風堂々たる仕上がりです。
当時オーロラが発売していた他の製品のカタログも載っていて、細かい文字を目で追うとなかなか楽しめます。
1/77という随分落ち着かないスケールのキットですが、各社から1/76で様々な車両キットが発売されていますから、いろいろ組み合わせて飛行場の情景を作るのも楽しそうです。