ブログトップアンダー03.jpg

シズキョウ(日本)1/250   XM474E2ロケット戦車 (1964年) [AFVモデル]

XM474a.jpg

SIZUKYOU1/25 XM474E2 Pershing missile system


XM474というのはまたシズキョウらしいマニアックな製品名です。
これは有名なM113APC(装甲兵員輸送車)を改装してつくられたミサイル輸送車(キャリア)の名称で、背中に載せている主役……巨大なミサイルのほうは「MGM-31 パーシング」という中距離弾道ミサイルです。
「パーシングミサイル戦車」という名前を付けて売ったほうが消費者にはわかりやすいようにも思いますが、米軍の中戦車M26にもパーシングという名前が付いており、1960年代にはシズキョウを含む数社からパーシング戦車のプラモデルが発売されていましたから、差別化を図ったのかも知れません。
それでも一応、箱絵には小さく“Pershing”と書いてありますね!

核ミサイルの移動式発射システムという何とも恐ろしげな兵器のプラモデルですが、この当時は冷戦真っ直中! こういった兵器がよくマスコミにも採り上げられていたし、海外の製品にもミサイル系の玩具、組み立てキットが多く見られましたから、いわば「流行物」だったのかも知れません。国産キットにも「ミサイル戦車」がいっぱいありました。
シズキョウがこのキットを企画した意図には、他社のミサイル戦車プラモデルへの対抗心もあったのでしょう。
……このキットが発売されて40余年。この類のミサイルが実際の戦闘で使用されなかったのは本当に幸運でした。
そういう意味でも「冷戦時代の遺物」として興味深い品です。


XM474c.jpg

30年ほど前の模型誌のオールドキット紹介記事に掲載されているのを見て以来、気になっていたキットでした。
僕がプラモデルの趣味を本格的に始めたのは1972年前後ですが、その頃にはもう店頭でこういうキットを見つけるのは大変難しかったのです。


XM474b.jpg

さてこのキット、製品説明に大きな謝りがあります。
スケール表示が「1/250」になっているのです!これじゃあ戦艦のプラモデルのようですネ。
実際にはヒトケタ違いの1/25のようです。
ちなみに英語表記でXM474が軽量でクロスカントリー走行性能に優れた車体だということがさりげなく紹介されています。


XM474d.jpg

作って遊ぶワーキングモデルらしく、非常に丈夫な車体設計になっています。
車体上部の工具やラジエーターまでモールドされており、何枚かの実車写真を参考に模型化されたことがうかがえます。


XM474e.jpg

基本はシンプルなシングルモーターライズ走行キットです。
赤い帽子のようなものはミサイルの“弾頭”です。
実物のミサイル弾頭は危険極まりないものですが、このキットの弾頭は子供がケガをしないように柔らかいゴムで出来ていて、このキットの中でもっとも“安全”な部品となっています。


XM474f.jpg


搭載するミサイルは車体上部に載せたままか、あるいはドーリーごと降ろして牽引走行させることができます。
ミサイルランチャーが垂直にエレクトして、スプリングでミサイルを発射させることができますが、なぜかミサイルの前半部だけがビヨ~ンと飛んで後半部はランチャーに残ってしまいます。

……詳しく思い出せないのがチョット悔しいのですが、このキット、テレビの特撮番組の撮影用ミニチュアとして使われていたのを見た覚えがあります。
確か「ウルトラマン」のどれかの回だったか「スペクトルマン」だったか昔の映画の「ギララ」だったか……あれっ?プラモデルみたいのが走ってきた!と思った記憶があります(笑)
1/25サイズの製品なので特撮用ミニチュアセットとの相性が良かったのでしょう。

この頃のちょっと大きめの戦車プラモデルはときおり特撮映画、特撮番組の小道具に使われています。
お好きな方はDVDで画面をストップモーションにして探してみるのも楽しいかも知れません。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。