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田宮(日本) 1/50 日本陸軍二式戦闘機 鐘馗 (1964年初版) [航空機モデル]

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TAMIYA1/50 NAKAJIMA Ki-44 Syouki “Tojo”


ボーイングB-29爆撃機などの迎撃に活躍した逞しいシルエットを持つ短距離型防空戦闘機です。

現在では航空機モデルの主要スケールは1/48になっていますが、1960年代中盤頃まではまだまだ国内製品には1/50スケールが多かったようです。
欧米のプラモデルのスケール設定はフィート・インチから来ているわけですが、メートル法を採用している日本国内では1/48よりもキリのいい数値の1/50というほうが親しみやすかったのかも知れません。


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……こんなコトを書いてしまうと日本機の熱心なファンの方からはお叱りを受けそうですが、実は僕は日本製よりも欧米製に好みの機体が多いのです。

たいていの日本機というのは上品で美しいラインを持っていますね。
無駄もなく、そのシルエットに清潔感のようなものさえ感じてしまうことがあります。
このあたりが、たぶん僕の好みに合わないのでしょう。
女性に例えれば、モデルのような美人さんよりも少しムッチリしていて愛嬌のある娘のほうが好きだ……という嗜好が模型趣味にも出てしまうんですネ(笑)
そんなわけで、日本機ならばこの鍾馗や雷電のように、ちょっとヒネリのあるフォルムをした機体が好みなのです。

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田宮の「1/50日本傑作航空機シリーズ」は1970年には一部を除いて生産中止となり、新たに設計された高品質の1/48モデルにその座を譲っていくことになったので、僕はほとんど原体験がありません。
ただ、古い田宮のミニカタログなどには掲載されていてその存在は知っており、いつか作ってみたいなァと思っていました。
というのは、少年時代にはバンダイが輸入販売を始めたモノグラム製の1/48航空機キットをよく作っていて、その主脚引き込みや主翼折りたたみなどの可動部分が気に入って、ほぼ同じくらいのスケールで可動部分の多い日本機のキットも作って並べてみたいと思っていたからです。

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田宮の「1/50日本傑作航空機シリーズ」は、主脚引き込みやファウラーフラップなどの可動とモーターライズが楽しめるキットでしたから、ぜひ作ってモノグラムのキットと並べてみたかったのです。
しかし時既に遅し。あの当時はこのシリーズの売れ残りを見つけるのは大変でした。ほとんど見たことがありません。
この歳になってようやく巡り会えたような状態です。

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機体、主翼の表面には かなりメリハリの効いたモールドが施されています。
ちょっと過剰じゃないかな……と思っても、こういう彫刻は塗装をすると非常に良い印象に仕上がることが多く、とくに昔はエアブラシによる薄塗りではなく塗膜が厚くなりがちな筆塗りが主流でしたから、このくらいパンチの効いた表面処理のほうが効果的だったと思います。

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エンジンや細部パーツも相応の仕上がり。
このあたりはモデラーの腕の見せ所でしょう。

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キャノピーの透明部品は同時代に販売されていたモノグラムなどの輸入品に比べると厚みや透明度の面でかないませんが、当時の国産キットの大半はこのくらいの仕上がりだったのではないでしょうか。

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デカールも比較的充実しており、4種類の塗装からセレクトできるようになっています。
さすがに経年変化で黄ばんでおり、これから作ろうとすると1/48クラスのキットから使えそうなデカールを流用するか、頑張って手描きすることになりそうです。



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さて、冒頭で好みの日本機として「日本海軍局地戦闘機 雷電」の名を挙げましたが、このシリーズにもちゃんと雷電が含まれています。
後に名作と言われたタミヤ1/48エアクラフトシリーズの雷電が登場する9年前の製品です。

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同じシリーズで好みの機体が手に入るというのはなかなか嬉しいものです。
ちょっと両者を比較してみました。

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雷電は1964年 2月の発売、鍾馗は同年5月の発売で、3ヶ月しか差がありませんが、それでも後発の鍾馗のほうが全体的なクォリテイはそうとう向上しているように思えます。
一流メーカーを目指して寸暇を惜しんで遮二無二頑張っていた田宮の努力の表れでしょうか。

現在では鍾馗も雷電も1/48クラスで高品質なキットが簡単に手に入り、作ることが出来ますが、この2機は往時を偲んで、できるだけキットの持ち味を生かしながら製作して、可動部分も存分に楽しみたいと思っています。



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