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エアフィックス(イギリス)1/72  ボーイングB-17Gフライングフォートレス (1962年初版) [航空機モデル]

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AIRFIX1/72 BOEING B-17G Flying Fortress


“空飛ぶ要塞”と謳われた歴史的に有名な戦略爆撃機ボーイングB-17。
第二次大戦中の記録フィルムや映画でもお馴染みの逞しいフォルムを持つ機体です。

―――― 爆撃機は目標に向けての爆撃航路に入ったら、敵からいかなる攻撃を受けても回避行動をとってはならないのだと聞いたことがあります。
危険を冒して遠路はるばる運んできた爆弾を目標から外さないためなのでしょう。

ご存じのようにエアフィックスは英国の老舗プラモデルメーカーです。
ドイツ空軍の迎撃機フォッケウルフの攻撃を受け、エンジンから火を噴きながらも爆弾投下を止めずに飛び続けるB-17の姿を描いたこの壮絶な箱絵は、ヨーロッパ、とくに英国人の「たとえ趣味で作るプラモデルの世界でも過酷な事実から目を背けてはならない」という姿勢、歴史観を表現しているように思えます。


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少年時代、僕が生まれて初めて作った“空飛ぶ要塞”のプラモデルが、このエアフィックス1/72でした。
オボロゲな記憶を辿ると……その頃に読んだ零戦パイロット・坂井三郎さんの本にあった「その巨体が照準器に収まりきらない」といった記述が強く印象に残っていて、店頭で見つけて買ったのがこのキットだったと思います。
機体に比べて、驚くほど小さな箱……この箱の中の部品で、本当にあのでっかいB-17が完成するのだろうかと、当時は不思議に思ったものです。


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僕がこのキット(70年代当時はトミーが輸入していてトミー・エアフィックスという商標になっていました)を見つけたのと前後して、日本のハセガワが1/72でB-17を発売しましたが、ハセガワが最初に発売したのはF型だったのに対してエアフィックスは機首に勇ましい銃塔が付いたG型。しかも主脚が引っ込む可動ギミック付きのうえ、アッサリとした表面仕上げのハセガワに比べて全体に凸リベットが打たれた重々しい雰囲気が気に入って、エアフィックスを選んだのを覚えています。
確か、値段もエアフィックスのほうが安かったと思います。
なにせ1960年代初めの製品ですから、当時としても大ベテランキットで輸入品とは言え価格もこなれていたのでしょう。
しかしあの頃はそんなに古い製品とは思わず、せいぜい1970年頃のものだろうと思っていました。
プラモデルという製品の寿命は本当に長いですね!

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プラモデルには、成形上の都合で部品の表面が窪んだり波打ったりする「ヒケ」という状態が見受けられることがたびたびあります。
それは成形技術の関係で古いキットほど目立つものですが、このB-17にも胴体などにヒケが見られました。
しかしこのキットを買った当時は、全体を覆う重戦車のようなリベットとヒケが、まるで実機の外板が波打っている様子を表現しているように思えて「映画に出てくるB-17と同じだ!」と感激したものです。


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ちょっと色っぽいノーズアートを再現したデカール。
エアフィックスのロゴが誇らしげに刻印され、透明度の高いクリア部品で用意されたスタンドとともに、何となく大人びた雰囲気のあるキットでした。
もっとも当時からして製品自体が古く、デカールも劣化していたようで、貼ろうと水に浸すとパリパリにひび割れてダイナシになってしまいました。

……実際のところ、少年時代には作るのにたいへん苦労したキットです。
部品の勘合がさほど良くなく変形している部分もあり、いろいろな部品を組み込んだ左右の長い胴体部品を接着しても、パイン!と剥がれてしまい難儀しました。

でも今だったらあの当時に比べてもう少し格好良く作ることが出来るんじゃないかなァ……部品を眺めながら、いつもそんなことを考えています。


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