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レベル(アメリカ)1/48 シコルスキーH-19 チカソー (1956年初版) [航空機モデル]

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Revell1/48 Sikorsky H-19 Chickasaw


アメリカの軍用ヘリコプターには伝統的にネイティブアメリカンの部族名が付けられていますが、この“チカソー”は自衛隊でも永らく使われていたこともあり、オールドファンには懐かしいキットではないでしょうか。
レベルの発売したチカソーは、何十年にも渡って箱や仕様が変えられ、販売し続けられています。

キットはタイヤ付きの脚を装備したタイプと、フロート付きの水上型のコンバーチブルになっています。
また一時は米陸軍の「S-55」仕様という製品名でも発売されていますが、キット内容は同じでした。
まさに、時代を超えた名作です。

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中でも珍しいのは、1980年代に日本のツクダホビーが発売したバージョンでしょう。
これにはツクダで用意した国内版デカールが付属しており「はつかり」の名で知られた陸・海・空自衛隊仕様を作ることが出来ます。
実際に自衛隊で使用された機体はテイルブームが下方に5度傾斜したC型が多かったようですが、このキットでも充分に雰囲気は出ると思います。

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高校時代、鹿児島の輸入模型専門店でレベルの古い版を初めて見たときには、思わず声を上げてしまいました。

今まで探し求めていたキットがあった!
H-19ヘリが1/48で発売されているとは知らなかった……!
何せ自衛隊ヘリ「はつかり」は、昔ながらの特撮映画ファンにとって、隠れた名脇役、アイドルのようなものです。
懐かしい東宝の特撮映画『モスラ』『妖星ゴラス』『キングコング対ゴジラ』『サンダ対ガイラ』などなど……天変地異や怪獣の出現した場所には必ず「はつかり」が飛来して、多くの人々を守るため様々な作戦に従事していたのです。
各国で長らく使われた名機だけあって、海外の特撮映画や戦争映画にもよく登場するベテラン俳優でもあります。

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これを作らねば、ベテラン特撮ファンの名がすたる!ってなもんです。
それ以降、レベルのチカソーはどんなバージョンでも見つけ次第買い漁りました。


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初めてレベルのチカソーの内容を確認したときは、本当に小躍りしたものです。
少年にとって映画でしか見たことのなかったヘリの全貌が、手のひらに乗るサイズの立体で明かになったのですから、この喜びは大きいものでした。


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このモールドを見てください。
無数に打たれた、端正で極小のリベット。
外装板の継ぎ目などは立体的な表現がなされ、一段浮かして丁寧に彫刻してあります。
僕にはこのモールドを消す勇気はとてもありません。
例え現在の模型工作の風潮が「アッサリすっきり、図面どおりに正確に……」と言われていても、このキットの持つ「存在感」以上のものを自分の手で再現する自信はまったくありません。
存在感、説得力……本物の航空機って、近づいてよーく見ると、こんなふうなんだよ……と、部品が語りかけてくるようです。

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機体側面のホイストで吊され、救助される男性。注意深く操縦するパイロットとコパイロット。
そして地上からその様子を見守る救助隊員……楽しいフィギュアが付属しています。
繊細なモールドで表現されたプラットアンドホィットニーの巨大なエンジンは、機種を左右に開けて見ることも出来ます。


こんな素晴らしいキットが、いつ頃発売されたのだろう……?
答えは、機体のテイルブームにありました。

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目立たない端っこに「Revell1956」と誇らしげにモールドされています。

恐るべき古典キットです。しかし、良いものは時代を超えるのですね。
レベルのチカソーにそれを見た気がします。

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