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シャープ(日本)  フロリダタッグ (1970年代中盤・スケール不詳) [艦船モデル]

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SHARP Tugboat “Florida”


今はなきシャープが発売していた「夏休みの友達」……タグボートの可愛らしいキットです。
※未確認ですが、1966年に三共が発売した「引船 タッグボート」の金型を受け継いでの再販かも知れません。

夏休みシーズンになると、模型屋さんはもちろんのこと、雑貨屋さんや文房具屋さんの店頭にも船の模型やオモチャが並ぶようになり、ひとつの風物のようになっていたのを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
たいていの子供達は勇ましい軍艦やいかにも速そうなレース艇、モーターボートのプラモデルを買って作ってましたが、そんな中、いろいろと欲しいキットを探していて、まるで森で珍しい昆虫を見つけたかのような気分にさせてくれたのが、タグボートなどの「働くフネ」のキットだったように思います。

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シャープは「海の案内船タッグボートシリーズ」と題して、2隻のタグボートを発売していました。
華やかな南国風味のカラーリングが施され、爽やかな箱絵でまとめられた「フロリダ・タッグ」と、初代原子力空母“エンタープライズ”と思われる巨大な艦船を背景に勤務中の堅実な風情を持つ箱絵があしらわれた「オーシャン・タッグ」。
箱絵とシール(デカールではありません)そしてプラ成形色は両者で異なりますが、金型はまったく同一のものです。


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日本ではあまり馴染みがありませんが、海外ではこのタグボートのような港湾施設で逞しく働く船たちは人気があり、さまざまな模型や玩具も発売されています。
ファンクラブなども存在するようです。
もしかするとシャープは、輸出を念頭においてこのキットをリリースしたのかも知れませんネ。


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一体成形の船体は18センチほど。
手すりや煙突も細かく再現され、接岸時に使う緩衝材や舷側にぶら下げる古タイヤなどの部品も用意されています。

……日本ではタグボートの精密キットが最後に発売されたのは、80年代初めのイマイ製「シュミット・ネダーランド」あたりということになるでしょうか。
あのキットも、どちらかといえば輸出を前提にした海外の愛好者向けだったように思います。

日本でも、軍艦や豪華客船だけでなく、こうした「働き者」の船のキットにももっと注目が集まれば、模型趣味の世界も今以上に、そして飛躍的に豊かになるかも知れません。
そんなことを感じさせてくれる、愛らしいキットです。

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